浅草岳
- 自然
めぐるただみ
会津朝日岳登山道 仮橋は冬季となり撤去されました。ご注意ください。(令和6年11月29日)
|
深山幽谷に拓かれた憧れのピーク
尾瀬の北側に広がる駒・朝日山群は、開発から逃れた静かな山域で、その北端にあるピークが会津朝日岳です。深山幽谷に唯一、切り開かれた登山道は岳人の憧れであり、日本二百名山に選ばれています。登山口は国道から10キロほど車で入った谷間にあり、しばらく渓流沿いに進んでから樹林の九十九折を登って、人見ノ松と呼ばれる稜線にでます。視界が開けて尾根沿いに叶ノ高手と呼ばれるピークに登り、ネズコの巨木を過ぎると大きく下ります。シャクナゲの林をぬけて、鞍部をトラバースするとブナ林が広がる熊ノ平です。避難小屋のわきから急な登りに息を切らせてバイウチの高手にでると山頂稜線の岩壁がそびえています。岩場を直登して岩稜に上がり、北へしばらく藪をぬけると東雲山岳会寄贈のモニュメントがある山頂です。会津と越後をまたにかけたパノラマが広がります。足元には田子倉湖が深くきれ込み、浅草岳、毛猛連山、越後三山、平ヶ岳、燧ヶ岳、日光連山、那須連山、飯豊連峰を見渡します。南には只見町最高峰の丸山岳が手に届きそうですが、この稜線は藪が繁茂して、昭和53年に道を刈りましたが数年で廃道になりました。
会津朝日岳の山名は、新編会津風土記に「朝日山 伊北郷ノ諸村ハ深山中ニ住スル故、晏テ後始テ日ヲ見ル、只此山ノミ詰朝ニ日ヲ見ル故名トス」とありますが、実際には集落から山頂を望む場所は少なく、なにか釈然としません。