蒲生岳
- 自然
めぐるただみ
只見町の自然を代表する里山
山頂のテレビ塔が目印の里山ですが、雪崩地形や日本海側植生など、只見町の自然をコンパクトに凝縮した登りごたえのある山です。細い尾根にはキタゴヨウという松が並び、雪崩で削られた急斜面にミヤマナラが生え、ゆるやかな山頂稜線はブナが覆っています。イワウチワ、ユキツバキ、ヒメサユリなど、人気の花が時期を追って咲きます。要害山の登山道は2コースあり、宮ノ沢登山口は滝神社の境内から堰堤を渡って尾根を登ります。南尾根登山口は三石神社と只見スキー場の間にある尾根を登ります。どちらも尾根沿いなので雪が消える時期が早く、5月に山開きができることが魅力です。周囲はまだ真っ白な山々に囲まれ、低山とは思えぬ眺望です。とくに山開き当日は、例年、山頂のブナ林に残雪があり、根開きや芽吹き、数年に1度の開花を観察できます。紅葉の季節も山終いは11月中旬で、ほかの山より遅くまで登ることができます。山名の「要害」は地形が険しく敵の攻撃を防ぐために有利な場所。戦国時代に山ノ内氏勝が治めた水久保城という山城を築かれ、伊達政宗軍との攻防でも落ちなかったといわれます。いまは木々に視界が遮られていますが、たしかに伊南川、只見川、六十里越、八十里越を見通す好立地です。